高校野球でスライダー、フォーク禁止 変革目指す異色の「リーグ戦」が全国に広がるワケ

高校野球のリーグ戦「Liga Agresiva」独自のルールとは
高校野球のリーグ戦「Liga Agresiva」独自のルールとは

元甲子園球児が発足させた「Liga Agresiva」、13都府県の約80校が参加

 従来の金属バットは禁止。変化球は2種類まで。大阪で創設され、全国へと広がっている高校野球のリーグ戦「Liga Agresiva」には独自のルールがある。異色のリーグを提案したのは元甲子園球児。高校野球の変革を目指す挑戦には、子どもたちの可能性や将来を考えたブレない理念があった。

 2015年、大阪にある6つの高校からスタートした「Liga Agresiva」。その後、リーグの理念に賛同した長野県や新潟県へと広がり、今では13都府県の約80校が参加している。

 秋に開催し、各地にはローカル・ルールも。例えば大阪の場合、ダブルヘッダーの時は、それぞれの選手が1日で12イニングまでしか出場できない。県によっては、1試合で12人以上の出場や、再出場できる「リエントリー」といったルールもある。

 地域の“個性”を生かしながらも、理念と基本的なルールはぶれないように意識。新潟・明訓高では甲子園に出場し、リーグを主導するNPO法人「BBフューチャー」の理事長・阪長友仁さんは「大事なのは、選手や指導者が、なぜリーグをやっているのか意義や理念を理解して共有することです」と強調する。

 勝利を目指しながらも、それ以上に選手の可能性や将来を広げる。理念はシンプルだが、高校球界への問題提起にもなっている。リーグ戦にしたのは、より多くの選手が、より多くの時間プレーする機会をつくるため。未来を見据え、リーグ共通のルールが設けられている。

バットや変化球への制限が打撃や投球を向上させる可能性

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