NPB通算打率1位の変遷は大打者の歴史 青木宣親の“長期政権”なるか

ヤクルト・青木宣親【写真:荒川祐史】
ヤクルト・青木宣親【写真:荒川祐史】

シーズン打率は打席が対象も、通算打率は4000打数以上が対象

 NPBの生涯打率ランキングは、4000打数以上を重ねた打者が対象となっている。これによって、5月3日の中日戦で通算4001打数に達したヤクルト青木宣親は、通算打率.327でNPB史上1位になった。

 打率は「安打数÷打数」で算出されるため、打数を基準にするのは妥当だ。シーズン打率も当初は「規定打数」以上で算出されていたが、四死球、犠打、犠飛が多い選手は打数が少なくなり、規定打数に達しないケースが出てきたため、シーズン打率は打数に四死球、犠打、犠飛などを加えた「規定打席」以上でランキングされるようになった。

 現在では、NPBもMLBも「試合数×3.1(小数点以下四捨五入)」で規定打席が算出されている。その考えでいけば、生涯打率の算出基準も「4000打数」以上ではなく「打席数」を基準にすべきだが、現状ではそうなってはいない。ちなみにMLBの通算打率のランキングも「打席数」ではなく「5000打数以上」となっている。

 NPBで初めて打数が4000の大台に達した選手は坪内道則だ。1948年終了時点で、当時金星スターズに所属した坪内は4094打数となった。

 1950年代までは4000打数以上の選手が少ないこともあり、野球雑誌の「通算打率」は2000打数、3000打数を対象とするものが多かった。メディアが4000打数以上の生涯打率を掲載し始めたのは、60年代後半になってからだ。

1960年以降のNPB通算打率1位打者の推移

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