大阪桐蔭を唯一破った前年覇者が初戦敗退 苦しめられた国学院栃木の“4投手継投策”
春季近畿大会決勝で大阪桐蔭破った智弁和歌山が国学院栃木に敗れた
夏の甲子園2連覇を目指した前年王者が初戦で姿を消した。大会第8日を迎えた第104回全国高校野球選手権大会が13日、阪神甲子園球場で行われ、智弁和歌山が国学院栃木に3-5で敗れた。最速149キロの武元一輝(3年)が集中打を浴びて逆転された6回途中に、中谷仁監督は最速144キロのエース・塩路柊季(3年)をマウンドに送ったが「僕の判断ミス。6回(の早い段階)で継投も考えたが失点を重ねてしまった」と悔やんだ。
今年も優勝候補の一角に挙げられていた。「智弁対決」を制して夏の頂点に輝いた前チームを上回る攻撃力と、速球派の“Wエース”を擁し、今春の近畿大会では準決勝までの4試合をすべてコールド勝ち。決勝では選抜覇者の大阪桐蔭に3-2で競り勝って優勝を飾った。公式戦29連勝中だった“無敗軍団”に初めて土を付けた。
この大会で投手陣は全5試合を継投で抑え、失点はわずか5。決勝では先発の吉川泰地投手(2年)が3回まで投げ、西野宙投手(3年)橘本直汰投手(3年)が1回ずつ、最後は武元が締め、細かな継投策で激戦区の近畿を16年ぶりに制していた。
だからこそ初戦敗退のショックは大きい。先発した武元は「この2年半やるべきことは……ずっと練習をやってきたんですけど……」と言葉を詰まらせた。逆転された直後の6回途中に登板した塩路も「今はまだ何も。終わった実感とか、特にないですね」と結果を受け止められない様子だった。