放物線は唯一無二…「球界の俳人」は来季覚醒できる? まだ荒削りも“確かな進歩”
思い切りの良いフルスイングを武器に、チーム最多の16本塁打を記録
まさに「豪快」という2文字が似合う俊英は、チームが長年にわたって待望した和製大砲に成長を遂げるか。ロッテの山口航輝外野手は今季、チーム最多の16本塁打を記録。前年の課題だった確実性も着実に改善した。今回は「月別成績」や「球種別成績」などのデータをもとに、若き主砲候補を掘り下げる。
山口の年度別成績は下記の通り。
明桜高(現ノースアジア大明桜高)から2018年のドラフト4位でプロ入り。プロ2年目の2020年には2軍で4番を務め、チーム最多の70試合に出場して藤原恭大外野手と並んで最多タイの本塁打数を記録した。続く2021年はシーズン前の対外試合で1軍の4番を任されるなど、開幕前から大きな期待がかけられていた。
2021年は5番打者として開幕スタメン入りを果たしたが、3月から5月まで3か月連続で打率1割台と確実性を欠き、1軍定着はならず。それでも、8月の再昇格後は確実性が向上し、8月と10月には月間打率2割8分台を記録。最後の3か月で5本塁打を記録しただけでなく、クライマックスシリーズでも本塁打を放つなど、今後の活躍に期待を持たせた。
2022年はシーズン初打席となった3月27日の試合で代打逆転3ランを放つ最高の滑り出しを見せ、その後も新型コロナウイルス感染で離脱した期間を除き、シーズンを通じて1軍に。8月中旬からおよそ1か月にわたって4番を務め、打線の迫力不足に悩まされたチームの中で大いに存在感を発揮した。