新庄監督が見極めた“トライアウトの合格者”は? 覚醒兆しの清宮は野手筆頭候補
ほぼ全ての支配下登録選手を1軍で起用、見極めのシーズンを送った
2022年シーズン開幕前から話題を振りまいた、日本ハムの「BIGBOSS」こと新庄剛志監督。就任1年目は「トライアウトのシーズン」と公言した通り、負傷のジョン・ガント投手以外は全ての支配下登録選手を1軍の公式戦で起用した。今季出番を増やし、“トライアウトに合格した”と言える選手は誰か――。成績をもとに、その内訳に迫っていきたい。
10試合以上に登板した投手の顔ぶれは次の通り。
チーム最多の登板数を記録したのは、ドラフト8位ルーキーの北山亘基投手だった。ショートスターターとして開幕投手を務めると、その後はリリーフの一角に定着。奪三振率10.17と持ち味を発揮し、チーム最多の9セーブ、同2位の16ホールドをマークした。
プロ4年目の吉田輝星投手がチーム2位の51試合に登板。防御率4.26という数字には先発した4試合での防御率7.53が影響しており、リリーフに限れば47試合で防御率3.31と一定の数字を記録した。玉井大翔投手は昨季に続いて50試合に登板し、チーム最多の19ホールドを記録。投球回が登板数を大きく下回ったように、今季はピンチで火消しを任されることが多かった。
2021年オフに巨人から戦力外通告を受け、本家の「12球団合同トライアウト」を経て育成選手として契約した古川侑利投手も奮闘した。開幕前に支配下登録を勝ち取ると、そのままブルペンの一角に定着。キャリアハイの34試合に登板を果たした。かつてのクローザー石川直也投手も故障から復活して3シーズンぶりに1軍登板を果たし、チーム5位の登板数と同2位の6セーブを記録した。
先発陣では、伊藤大海投手が2年連続となる2桁勝利を記録し、上沢直之投手と加藤貴之投手も規定投球回に到達。さらに、8月27日にノーヒットノーランを達成したポンセ投手、シーズン途中入団で防御率1.08と快投を見せたメネズ投手という助っ人2選手も存在感を見せた。中でも加藤の活躍は出色だった。K/BB(奪三振÷与四球)8.91という先発投手としては過去に類を見ないレベルの数字を残し、防御率2.01と抜群の成績を記録。交流戦で4試合に先発して26イニング無失点をマークした。
昨季は11試合の登板が全て中継ぎだった上原健太投手が、今季は先発と中継ぎを兼任して存在感を発揮。先発防御率3.47、リリーフ防御率2.20と双方で大崩れしなかった。シーズン終盤には19歳の左腕・根本悠楓投手が台頭。11試合の先発で喫した失点は全て2失点以下と、安定感のある投球を続けた。24歳の鈴木健矢投手も独特の投球フォームで異彩を放った。