西武平良の“先発転向の勝算” 2019年は失格も…「自信は凄くあります」と語るワケ
高橋光成の今季175回2/3が目安、「勝ち星は全く意識しない」
西武・平良海馬投手が2度の契約更改交渉を経て、念願の先発転向を勝ち取った。今季もリーグ最多タイの61試合に登板し、最優秀中継ぎ投手のタイトルを同僚の水上由伸投手と分け合った剛腕だけに、配置転換はリスクも伴うが、本人、チーム双方が納得できる結果は出るのだろうか。
先発転向にあたって、こだわるのは「イニング数」だと言う。「光成さん(エースの高橋)は今季175~176回(175回2/3)を投げた。光成さんとは自主トレを一緒にやるので、そこで学びながら、追い越せるように頑張りたい」。そもそも先発転向を希望した根底には、「中継ぎで1試合1イニングを投げるより、先発になってイニングをたくさん投げて失点を減らした方が、チームの勝利に貢献できる」との思いがあった。一方で「勝ち星は(味方に)点が入るか入らないかにもよるので、全く意識せずにやっていきたい」と勝利数は興味の外だ。
プロ5年で登板した公式戦通算203試合の全てがリリーフだが、2019年2月27日のソフトバンクとの練習試合では1度だけ先発テストが行われ、3回6安打6四球5失点と炎上。あえなく失格の烙印を押された。平良は「1回だけではキツい。毎年『先発をやりたい』と言ってきて、チャンスがもらえる選手もいる中で、どうして僕はやらせてもらえないのかと、この3年間ずっと不平等さを感じていました」と吐露する。もちろん首脳陣にしてみれば、平良がリリーバーとして突出した力量を見せ、評価しているからこその中継ぎ専任だったのだが、本人は納得できなかった。
実際のところ、平良の先発転向は成功するのか。本人はファンへのメッセージとして「やったことのないポジションで、失敗するかもしれないし大成功するかもしれないし、わからないですけど、やるからには中継ぎの時よりチームに貢献できるように、先発として頑張っていきたい」と言った。一方で「3年前に比べて、平均球速が上がっていますし、変化球の種類、精度も増している。四球は減って状況が良くなっている。自信は凄くあります」とも。