体罰と衝撃の監督交代…東海大菅生ナインはどう受け止めた? 全員で決行した“儀式”
選抜決定直前「チームで一番熱い」上田崇・新監督が就任
前監督の体罰騒動に揺れる東海大菅生高(東京)が27日、第95回選抜高校野球大会に2年ぶり5回目の出場を決めた。昨年秋の東京都大会を制した時点で選抜出場を決定的にしていたが、その後、若林弘泰前監督の部員に対する暴力が発覚し、今月21日付で解任された。初の全国制覇を目標に掲げる選手たちは、衝撃的な監督交代をどう受け止め、いかにして立ち直ろうとしているのだろうか。
学校側は若林前監督と宮原上総前部長を解任し、2016年からコーチを務めていた上田崇氏を監督、副部長だった田中聡氏を部長に昇格させた。指揮官は56歳の若林前監督から29歳の上田新監督へ、一気に若返った。上田新監督は「最近の練習では選手たちに『熱くいこうぜ』と言葉をかけています」と明かしつつ、「勝ちというより、野球を楽しみ、まさに“プレー”することができればと思います」と強調。前監督による“体罰”のイメージを、払拭しようとしているようにも見えた。
若林前監督は2017年夏に甲子園大会準決勝、2021年春の選抜では準々決勝に導くなど、東海大菅生を全国区の強豪校に育てたことは事実。上田新監督も、若林監督就任1年目の2009年に東海大菅生に入学し、3年の時には主将を務めた教え子である。「私自身は、指導方法を大きく変えるつもりはありません」と言う。指揮権を予想もしないタイミングで引き継ぎ、いかにして好成績に導いていくのか……。新監督が背負う荷物は重い。
主将の渡部奏楽内野手(2年)は「上田先生はチームで一番熱い方です。人一倍声を出して、鼓舞して下さっています」と話し、「バッテリーを中心にずっと指導を受けてきたので、監督になったからといって、大きく変わってはいないと思います」とうなずいた。