戦力と練習を見れば「順位が見えてくる」 井口資仁氏が考える“野球の魅力”

野球評論家としてのキャリアをスタートさせた井口資仁【写真:荒川祐史】
野球評論家としてのキャリアをスタートさせた井口資仁【写真:荒川祐史】

26年間着続けたユニホームを昨年で脱ぎ、今年から評論家として始動

 1997年のダイエー(現ソフトバンク)入団以来26年間、選手・監督として着続けたユニホームを脱ぎ、今年から野球評論家としてのキャリアをスタートさせた井口資仁氏。現役時代には強打の二塁手・遊撃手として鳴らし、日米両球界で活躍した。日本一、世界一の経験、さらには監督としての視点を持つ井口氏が「Full-Count」で隔週連載をスタート。日本プロ野球、メジャーなど野球界の旬な話題からコアな情報まで、独自の観点から鋭く切り込む。

 第1回は「野球との新たな関わり方」について語る。

◇◇◇◇◇

 Full-Countをご覧の皆さん、井口資仁です。昨年まではロッテ監督としての思いを届けてきましたが、今年はOB、評論家、いち野球ファンとして、皆さんと一緒に野球を深掘りしていきたいと思います。

 プロ野球は2月1日、12球団が一斉にキャンプインしました。僕にとってキャンプのない2月は27年ぶりのこと。なんだか不思議な感じもします。評論家としての活動もいよいよ本格化。2月は宮崎と沖縄でキャンプ取材、3月は海を渡り、米国アリゾナ州とフロリダ州でメジャーのキャンプ取材をする予定です。

 これまで現役、監督時代を通じて、評論される側・見られる側にいましたが、見る側へとサイドチェンジ。昨年までは監督を務めたロッテの戦力について隈なく頭に叩き込み、他球団は対戦相手として見ていたわけですが、今年はどの球団も色々な角度から分析して準備をしておかなければ、公平な解説はできません。とは言いつつ、国内12球団にメジャー30球団が加わって、合計42球団。なかなかのハードワークとなりそうです(笑)。

 これから評論家として活動する上で、まず第一に心掛けたいのが「野球の魅力をしっかり伝えること」です。野球観戦の楽しさの一つが、誰もが監督になれること。球場はもちろん、街中でもふと「あの場面は代打を使うべきだった」「俺だったら投手交代したね」という声が耳に届くことがあるでしょう。勝つためのシナリオが何通りも考えられる、そんな面白さが野球にはあると思います。だからこそ、監督は頭を悩ませ、苦労もするのですが、どうしてそのプレーが生まれたのか、どうしてそういう采配になったのか、僕の経験を踏まえながら分かりやすく伝えていければと思います。

 そのためにも、宮崎と沖縄では12球団の監督さんに挨拶をして、今季の構想をしっかり取材してきます。また、トレードやFA、現役ドラフトなどで選手が大幅に入れ替わっているチームもあるので、外国人選手も含めた新たな戦力も自分の目で確かめてこようと思います。

3月にはメジャーキャンプも取材「現地でしか分からない情報を」

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