大健闘のチェコが抱く“次なる野望” 「日本でやりたい選手が…」期待する新たな可能性

侍ジャパンとの試合後のチェコ代表の選手たち【写真:荒川祐史】
侍ジャパンとの試合後のチェコ代表の選手たち【写真:荒川祐史】

8強進出の豪州と6回まで同点…レベルアップの手応え

 13日まで東京ドームで行われた「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 1次ラウンド 東京プール」で、4連勝した日本代表に劣らない注目を集めたのがチェコ代表だろう。初のWBC本大会出場ながら、中国を8-5で破り初勝利。13日の豪州戦も3-8で敗れはしたものの、6回まで1-1と大接戦を展開し8強入りの可能性まで残していた。試合後、パベル・ハジム監督は日本への感謝を述べると同時に、更なる野球交流の拡大を望んだ。

「日本でできれば素晴らしいと思っている選手もいます。日本でやりたいという選手が出てくれば、交流がもっと盛んになることを祈っています」。日本の野球愛に触れた指揮官の、次なる願いだ。日本球界入りしたチェコ選手は過去、2012年にBCリーグの石川でプレーしたヤコブ・スラデクがいるくらい。今大会で日本の野球を感じた選手から、新たな“挑戦者”が現れるのを待っている。

 チェコ野球のレベルアップという手応えがあるからこその言葉だろう。豪州戦で先発マウンドに立ったシュナイダーは、140キロ台の直球とスライダーを武器に好投した。6回途中、球数が制限いっぱいの68球に達し降板したものの、被安打は初回にホールに許した本塁打の1本だけ。1失点で切り抜けた。ハジム監督も「投球制限を考えなければ……。もしかしたら勝てたかもしれません」というほどの好投だった。

 この日「4番・捕手」で出場したマルティン・チェルベンカのように、米国のマイナーリーグでプレー経験のある選手はすでにいる。さらにレベルを上げるには、レベルの高いリーグに選手を送り出し、経験を還元させる必要がある。今回、すっかり選手たちのお気に入りになった日本への“進出”も、その可能性の1つだ。

まるで野球の“伝道師”「欧州やアフリカにも広めたい」

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