5盗塁&成功率100%でも「中の上程度」 “走魂”西武が敗戦の中で見せた強み
昨季リーグ最少のチーム60盗塁→今季はリーグトップタイ
■日本ハム 1ー0 西武(4日・ベルーナドーム)
就任1年目の松井稼頭央監督の下、「走魂(そうこん)」を今季のチームスローガンに掲げて機動力重視へ舵を切った西武。有言実行で、昨年はリーグ最少の60に過ぎなかったチーム盗塁数(約2.4試合に1個)が、今季は4日現在で楽天と並びリーグトップの20(約1.4試合に1個)に上がっている。主軸の源田壮亮内野手と山川穂高内野手を欠きながら、首位争いを展開してきた要因の1つだろう(山川は2日に1軍復帰)。4日に本拠地ベルーナドームで行われた日本ハム戦でも、それを象徴するシーンがあった。
この日の西武打線は、今季初先発の北山亘基投手をはじめ、日本ハムが繰り出す5投手の継投の前に9回2死までノーヒット(2四球)。NPB史上過去に5度あった“継投によるノーヒットノーラン”が目前に迫っていた。しかし、0-1で迎えた9回2死走者なしの崖っぷちで、愛斗外野手が相手の5番手・田中正義投手から左前打。続く鈴木将平外野手も中前打を放ち、2死一、二塁として一打同点、長打が出れば逆転サヨナラ勝ちの局面をつくった。
ここで松井監督は、一塁走者となった鈴木の代走に盗塁王2度のベテラン・金子侑司外野手を送った。しかし、ベンチへ下がった鈴木は今季、外崎修汰内野手の7盗塁に次ぐチーム2位の5盗塁をマーク。盗塁死は0で、成功率10割を誇っている。この数字を見る限り、代走を送る必要があるのかと疑問になる。
鈴木は「そうですよね。代走を送られたことは今季何度かあって、僕もいつもそう思っています」とおどけつつ、「とは言え、単純に走ったら侑司さんの方が速い。ウチの選手はみんな足が速くて、特に侑司さんと(若林)楽人(外野手)は飛び抜けています。僕も昔は50メートルを5秒9で走ったことがありますが、このチームでは中の上程度。“隙あらば”程度の選手ですよ」と語った。