元オリ投手が現地で感じた日米の違い 審判で異なるピッチクロックの“さじ加減”

エンゼル・スタジアム(筆者撮影)【写真提供:PLM】
エンゼル・スタジアム(筆者撮影)【写真提供:PLM】

オリックス、巨人でプレーした鈴木優さんは現在米国留学中

 オリックスと巨人で投手としてプレーし、昨季限りで現役を退いた鈴木優さんは現在、米国に約2年の予定で留学中だ。現地で感じた“ベースボール事情”を、不定期でレポートしてくれることになった。今回は大谷翔平投手の所属するエンゼルスの本拠地、米カリフォルニア州の「エンゼル・スタジアム」を訪れて感じたことを伝えてくれた。

◇◇◇◇◇◇◇

 前回はメジャー球場の雰囲気やグルメを紹介した。今回の記事では「試合」について書いていきたい。

 まずは審判と選手の関係についてだ。日本では審判と選手が話すことはあまりない。厳しく審判と選手が分けられているというイメージ。対してアメリカでは、両者ともフレンドリーだ。

 もちろんプレーに関しては厳しく正確にジャッジするのだが、イニング間は談笑する姿が見られるなど、お互いに近い距離感で“敬意”を持って接している。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも、大谷翔平選手が審判と頻繁にコミュニケーションをとる場面があった。とてもこれはいいことだと思う。お互いに尊重しあいながら、いい関係を築けたらと感じた。

 そして数年前から行われているピッチャーへの、松やになどの粘着物質をつけていないかのチェックだ。行われていることを知ってはいたが、現地で見ていると、思っていたよりも回数が多い。先発ピッチャーも1回ではなく、投げている間に2、3回はチェックされている。リリーフは抑えてベンチへ戻る投手にほぼ行われ、クローザーへは登板前に行われている。

 チェックされる選手はもう慣れたもので、審判が近づいてくると自らグローブ、帽子を取る。たまに、少しふざけて笑いながら服を脱いだりベルトを取ろうとしたりとする選手も見られるなど、ルールということで素直に認め実行している。

日米のルールで「もっとも違う」と感じるのがピッチクロック

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY