今季のパ・リーグが展開する画期的な取り組み 未来志向型メディアの「パ・リーグTV」が球界の常識を変える?
パ・リーグが始めた画期的な取り組み
東京ドームで巨人対阪神の「伝統の一戦」を取材していると、パソコンで開いていた「Sportsnavi」の一球速報に興味深いリンクを見つけた。西武対楽天の途中経過を伝える部分に、去年まではなかった「ハイライト動画を見る」の文字がある。クリックしてみると、松井稼頭央が2回に打った先制本塁打のシーンを動画で見ることができた。
今季、パ・リーグが画期的な取り組みを始めている。
冒頭のハイライト動画は、「パ・リーグTV」によるものだ。パ・リーグTVはパ・リーグ6球団の出資で作られた会社「パシフィックリーグマーケティング」(PLM)によって運営され、月額を払えば試合中継やハイライトなどをパソコン、スマートフォン、タブレットで視聴することができる。ネット環境さえあれば、会員でなくとも、ハイライトを無料で好きなときに見られるサービスはありがたい。
2007年に誕生したPLMは6球団の持っているリソースとナレッジを共有し、パ・リーグの繁栄のために活動している。
例えば、パ・リーグ6球団の公式HPが同じデザインになっているのは、ふたつの理由がある。ひとつは、リーグとして一体感を出すこと。もうひとつは、コスト削減だ。以前は各チームがバラバラの業者に委託していたが、リーグ全体として特定の会社に任せるように変え、大幅なコスト削減に成功したという。
その他にもファンクラブ会員へのポイント制、クライマックスシリーズのスポンサー獲得など、PLMはファン拡大やリーグの発展につながる活動をしてきた。なかでも力を入れているのが、パ・リーグTVだ。