メジャーで今季最も費用対効果が高かった日本人は上原浩治!?
圧倒的な存在感を示した上原
球団はしっかりと元を取れたのだろうか。選手が年俸に値するだけの働きをするかどうかは、プロスポーツにとって最も重要な要素だ。メジャーリーグでは、選手の契約内容が詳細に明かされている。出来高や契約延長の条件なども含めてだ。では、今年の日本人選手で、費用対効果が高かったのは誰なのか。その金額と活躍を踏まえて分析してみたい。
真っ先に名前が挙がるのが上原浩治(38)だろう。今季から加入したレッドソックスで中盤戦からクローザーに君臨。自己最多の73試合に登板して4勝1敗21セーブ13ホールド、防御率1・09と驚異的な成績を残した。ジョン・ファレル監督からは「コウジがMVPでも驚かない」と絶賛され、メディアの間でも最優秀選手候補に挙がっている。
そんな右腕の今季年俸は425万ドル(約4億1500万円)。さらに15試合目からは、最大50試合目まで5試合に登板するごとに12万5000ドル(約1200万円)の出来高が付いている。上原は満額に達したため、トータル100万ドルのボーナスをゲット。実質、525万ドル(約5億1200万円)だったことになる。どのチームも試合を終わらせてくれる投手の不在に苦しむだけに、これはお買い得と言える。
さらに、特筆すべきは「ベスティング・オプション」が付いている点だ。上原の場合は、55試合以上に登板すれば自動的に来季の契約延長が決まるという条項があったのだ。そして、このラインに軽く到達。FAとなれば価値が高騰していたはずだが、来季も同じ金額でチームに引き留められる。これはレッドソックスにとって最も大きなポイントかもしれない。
ちなみに、昨季リーグ最多の51セーブを挙げたオリオールズのジム・ジョンソンは、出来高を含めて上原よりも遙かに高い710万ドル(約6億9000万円)で再契約した。今季も50セーブと結果を残したように見えるが、8敗と救援失敗も多く、額に見合った働きをしたかは意見が分かれるところだ。