勢いは本物か? プロの目から見る首位ソフトバンクの好調の要因

「武田が戦列に戻ってきたのは大きい」

 ソフトバンクが首位の位置を盤石なものとしつつある。

 9月2日から行われたオリックスとの首位攻防3連戦を2勝1分とすると、続く西武との3連戦も2勝1敗で勝ち越し。オリックスとのゲーム差は4と開いた。8月の後半、なかなか貯金を増やせなかったソフトバンクだが、ここにきて勢いを取り戻しつつある。その要因はどこにあるのか、スポーツコメンテーターの飯田哲也氏は以下のように分析する。

「6日の西武戦は、中田賢一が見事なピッチングを見せました。スライダーとフォークのキレ、コントロール共によく、7回で12三振を奪うなどほぼ完璧な投球でしたね。リーグ戦は終盤戦に入りますが、今後に期待を抱かせる内容でした」

 今季のソフトバンクは「9人ローテ」と呼ばれる、一風変わった先発ローテーションを組んでいる。スタンリッジ、攝津正、中田賢一の3本柱は中6日で登板するが、残りの3枠は6人の投手が「投げ抹消」を繰り返しながら、10日間の登板間隔を空けて先発している。

 3本柱となっているスタンリッジ、摂津、中田はそれぞれ10勝、9勝、10勝と数字を残しているが、今後はクライマックスシリーズも視野に入れて、ある程度先発投手の人数を絞っていく可能性もある。その中で、8月は1勝1敗と勝ち星に恵まれなかった中田が目を見張る好投を見せたのは、チームにとっても好材料だ。さらにソフトバンクを勢いづかせる存在として、飯田氏は武田翔太の復活を挙げる。

「武田が戦列に戻ってきたのは大きいです。チームにとって、本当に良いタイミングで良い選手が出てきた。4日のオリックス戦では制球に苦しみましたが、それでも無失点に抑えた。若い選手が、こうした終盤の時期に良い投球をすると、チームに勢いが出てきます」

 武田はルーキーイヤーだった2012年、いきなり8勝1敗、防御率1.07と好成績を残したが、昨年は右肩痛に悩まされ不本意な成績に終わった。今年も復帰が遅れていたが、8月に1軍へ昇格してからは3勝1敗、防御率は0.34と快投を続けている。

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