脚力自慢は一体誰? パ各球団の最多盗塁者から見る“韋駄天”の歴史
直近10年間でパ・リーグ各球団の最多盗塁選手を振り返る
他の主要タイトルと同様に、盗塁王争いもシーズンが佳境を迎える時期には毎年のように熾烈なものとなってくる。時にはチーム全体でタイトルへの挑戦をバックアップするケースも存在し、1シーズンで40を超える盗塁数を記録する選手も少なからず存在する。
しかし、盗塁を決めるために必要な要素の一つである脚力は、故障や年齢によって陰りが見える危険性をはらんだものでもある。しかし、実際に一定のスパンにおける盗塁数の変遷を見てみると、長年にわたってチームトップの盗塁数を記録している選手の数も決して少なくない。
今回は、直近10年間のパ・リーグにおいて、各球団でチーム内トップの盗塁数を記録した選手たちを調査。その顔ぶれの移り変わりを確認するとともに、長期間にわたって脚力を維持した選手たちを見ていこう。
【日本ハム】
2010年:34盗塁
田中賢介氏(143試合、打率.335)
2011年:31盗塁
糸井嘉男(137試合、打率.319)
2012年:22盗塁
糸井嘉男(134試合、打率.304)
2013年:47盗塁(盗塁王)
陽岱鋼(144試合、打率.282)
2014年:43盗塁(盗塁王)
西川遥輝(143試合、打率.265)
2015年:34盗塁(盗塁王)
中島卓也(143試合、打率.264)
2016年:41盗塁
西川遥輝(138試合、打率.314)
2017年:39盗塁(盗塁王)
西川遥輝(138試合、打率.296)
2018年:44盗塁(盗塁王)
西川遥輝(140試合、打率.278)
2019年:19盗塁
西川遥輝(142試合、打率.288)
2010年は打撃面でキャリアハイの成績を残した田中賢介氏が盗塁でも自己最多となる34盗塁を記録。その後は糸井が2年続けてチームトップの盗塁数を記録し、その後は陽岱鋼、西川遥輝、中島卓也と盗塁王獲得経験を持つ快速ランナーたちが活躍を見せた。2019年にはチーム全体の盗塁数も少なくなっていたのは気がかりだが、盗塁成功率の高さでも知られる西川は2020年に巻き返しを見せてくれるだろうか。
ちなみに、日本ハムは過去の歴史を振り返っても近年まで盗塁王を輩出したことが一度もなく、2013年の陽岱鋼が球団史上初の盗塁王選手だった。しかし、記念すべき初受賞をきっかけに球団を取り巻く流れは大きく変わり、その後は西川が3度、中島が1度と直近7年間で5度盗塁王を輩出。今や盗塁大国といっても過言ではないほど変貌を遂げている。