先発は救援よりどれくらい難しい? データで見える「1.25」という数字の差
同じ防御率3.00でも評価が違う先発と救援、実際は?
「先発は救援より優先度が高い」というのは、昔からプロ、アマを問わず常識とされている。野手で言えば、内野で一番センスのある選手がショートを務めるように、外野で守備の上手い選手がセンターを守るように、一番優れた投手は先発で、エースを任されるのが基本になっている。
これはセイバーメトリクスによる研究でも合理的な判断であることが証明されており、分業化が進み先発の完投数が減少した現代のプロ野球においても先発投手の重要度は例外ではない。
先発は最低でも5回を投げるのが仕事とされる一方、一般的な救援は大抵1イニングくらいしか投げないのだから(注1)、常識的に考えて1試合あたりのパフォーマンスは救援の方が良くなるはずである。防御率3.00の先発と防御率3.00の救援で評価が違うのは当然のことだ。先発で通用しなかったから救援にまわした。打ち込まれたから後ろで調整させたというのは、いずれもよく目にする光景だ。
しかし、実際にどのくらい先発が救援より難しいのか? と尋ねられて具体的な数字が思い浮かぶ人は少ないのではないだろうか。ここでの「難しい」とは救援が先発にまわった場合、どの程度防御率が悪化するか、失点が増えるかということである。