巨人ウィーラーは「野球が好きな性格が出ている」 専門家が見た献身的プレー
巨人で活躍し、楽天でヘッドコーチを務めた松本匡史氏が解説
■DeNA 3-2 巨人(29日・東京ドーム)
巨人はホームでのDeNA戦で接戦を落とし、2-3で敗れた。そんな中、楽天から巨人に移籍してきたゼラス・ウィーラーが右中間への今季4号となるソロ本塁打を放ち、気を吐いた。この日は2打数1安打2四球。渾身の1発で、DeNA先発浜口をマウンドから引きずり降ろした。現役時代、巨人で活躍し「青い稲妻」の愛称で親しまれた元楽天ヘッドコーチの松本匡史氏は「巨人に来てからいい形で結果が出ており、セ・リーグに合っている選手」と絶賛した。
この日の一発は、1-3と2点ビハインドで迎えた6回2死から飛び出した。カウント3-1から外角高め直球を逆らわずに右中間スタンドに運ぶ4号ソロ。ビハインドを1点差に縮め、制球に苦しみながらも4回まで無安打投球を続けていた浜口を降板させた。これで今季、打率.294、4本塁打、8打点。出塁率も.379と、ベンチの期待に応えている。
松本氏は「非常にいい本塁打だった。外の高めの球を引っ張らずにセンター方向に打ち返したことがよかった。バットのヘッドもしっかり立っていたし、しっかり叩けているスイング。彼の場合、打てなくなると引っ張る癖があるが、初回もしっかり四球を選べていたし、それで打てたんだと思う」と、トレードが吉と出ていることを断言した。
打撃だけでなく、守備面でも同じだ。「シーズン途中に移籍した外国人選手が最も苦労するのは守備と攻撃のサイン。彼の場合は外野でも内野でもどこでも守れるから、覚えないといけないことは多いが、その中でしっかりやっている」。実際、この日も左翼から二塁、一塁と3つのポジションでプレー。指名打者制のパ・リーグとは違い、セ・リーグでは試合中盤以降、投手に代打を送るケースが多く、野手の守備位置が試合中に変わることも多いが、ウィーラーが数多くのポジションをこなせることがチームにとってもプラスに働いているのだ。