マー君、マエケンが利用する新ポスティングシステムの仕組みってどんなもの?
新ポスティングシステムの内容
メジャー挑戦を目指す楽天・田中将大投手(25)が、17日に新ポスティングシステム(入札制度)を利用することを球団に申し入れた。楽天はこれを容認するか検討中で、間もなく答えが出る見込みだ。
メジャーリーグ機構(MLB)と日本野球機構(NPB)の交渉が難航を極め、ようやく正式発行に至った新ポスティングシステムだが、その内容はいったいどのようなものなのか? 旧制度との違いとは何なのか? そして、楽天が容認した場合、田中はどのような流れで海を渡るのか? 新制度の有効期限は3年間で、来オフには広島・前田健太投手(25)のメジャー挑戦も有力視されているだけに、その仕組みを知っておきたいところだ。
まずは、新聞などでも報道されている新制度の要旨を挙げていこう。
【1】日本の所属球団が譲渡金を上限2000万ドル(約20億円)で設定できる。
【2】譲渡金を支払う意思のある全てのメジャー球団が30日間交渉できる。
【3】申請は11月1日~翌年2月1日までに行われなければいけない。ただし、譲渡金の額は途中で変更できない。
【4】契約が合意に達した場合は、メジャー球団が譲渡金を支払う。その場合、分割払いも可能(1000万ドル以上は4回、1000万ドル未満は2回まで)。
【5】契約合意に至らなければ譲渡金は支払われず、選手は所属球団に戻る。次の11月1日まで再びポスティング申請することは出来ない。
【6】制度の有効期限は3年間で、それ以降は1年ごとに更新される。
楽天が田中のポスティング利用に難色を示している最も大きな理由は「譲渡金が上限2000万ドル」に収められた点だ。旧制度では上限がなく、松坂大輔、ダルビッシュ有には5000万ドル以上の値が付いた。
新制度は今年11月に1度は基本合意に達しながら、日本の選手会の異議などで正式締結に手間取り、その後、MLB側が一方的に取り下げている。その時の内容でも、入札1位と2位の中間が最終落札額となっていた。上限がなければ、田中の落札額は7000万ドル(約70億円)以上と評価されており、しかも複数球団が同程度の額を入れると言われていた。楽天には、この1か月で50億円程度の損失があったことになる。