鷹は千賀&甲斐の2010年、ロッテは2008年…パ6球団の育成ドラフト“当たり年”は?

ソフトバンク・千賀滉大(左)と甲斐拓也【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・千賀滉大(左)と甲斐拓也【写真:荒川祐史】

育成選手から支配下登録を勝ち取れる選手は、全体の中でもほんの一握り

 育成としてプロ入りした選手が、のちに1軍の舞台でチームの主力として活躍する…。そんな光景も、今では当たり前のように見られるようになってきた。2020年のドラフト会議では、史上初めて全12球団が育成ドラフトに参加。各チームの育成に対する意識は、より大きくなっていると言えるのではないだろうか。

 ただ、プロ入り後に育成から支配下登録へと移行できるのは、ほんの一握り。厳しい競争の中で2桁の背番号を勝ち取る選手がひとりでも出れば、その年の育成ドラフトは一定の成果を挙げたといえる。その域にまで至った選手を指名できた年は、球団にとってはいわゆる「当たり年」となるだろう。

 今回はパ・リーグ6球団の過去の育成ドラフトの中で、とりわけ大きな成果を挙げた年(1年~2年)の指名について、各球団ごとに紹介。指名された選手の顔ぶれ、ならびに各選手の通算成績を見ていくとともに、出色の活躍を見せた選手たちの経歴も振り返っていきたい。

 日本ハムは、育成選手制度を利用し始めたのが2018年からということもあり、育成ドラフトに参加した回数が、昨季までで2回のみと少ない。必然的に、今回の考察対象となるのも2年間のうちのどちらかに。そうなると、球団史上初めて育成ドラフトを経由して支配下昇格を勝ち取った樋口 龍之介外野手を指名した2019年のドラフトが現時点では最高のものとなるだろう。

 独立リーグを経て25歳でプロ入りした樋口は、イースタン・リーグで12本塁打、打率.342、出塁率.441、OPS1.092とプロ1年目から圧巻の打棒を披露。この活躍が認められ、9月22日に支配下登録を勝ち取り、1軍で10月25日にプロ初本塁打を記録。打率1割台中盤と壁にも直面したが、今後のさらなる活躍が期待されるところだ。

 楽天は育成ドラフト導入当初から、1度の会議における指名選手こそ多くはないものの、定期的に支配下登録を経て1軍の戦力となる選手を輩出してきた。その中でも、2008年に揃って支配下に昇格し、1軍の舞台で1・2番コンビも組んだ中村真人氏と内村賢介氏を獲得できた2006年と2007年のドラフトは、選手層の薄かった時期のチームにとっても、大きな意義のあるものとなった。

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