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【イチロー4000本安打の価値】イチローの言霊(後編)

日米通算4000安打を達成した夜、イチローは上機嫌だった。日本の報道陣のために、約45分間もの記者会見を行ったのだ。次々と紡ぎ出される言葉の中には、野球にとどまらず、人生そのものにおいてもヒントとなるような“メッセージ”が含まれていた。その言葉から見える、天才打者の哲学とは? そして、我々が学ぶべきものとは?

ヤンキース

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プロ1本目は、嫌々打ったヒットだった

 僕、満足いっぱいしますよ。今日だって満足してるし、それを重ねないとダメだと思う

――平和台球場でプロ1本目が出たときのことは、今でも頭の中にイメージするか。また、4000本目はヤンキースタジアムで打ったという違いに何か思うことは?

「そのことは考えますね。1本目のヒットは平和台で木村(恵二)さんからのヒットだったんですけど、あのとき実は、3年は2軍でやるという気持ちでいたので、当時の日本でいうマネージャーから寮の部屋に内線で電話があって『明日から1軍に行け』と言われて、お断りしたんですよね。『まだ早い』と。『2軍でやらなきゃいけないことがあるので、お断りできないですか? 土井監督にお伝え下さい』と言ったら『上からの命令なんで、従ってくれ』と。嫌々、僕は福岡に向かって、2試合目くらいですかね、ヒットが出たんですけど、当時の僕よりも10から12くらい上の人たちって強烈だったんですよ。恐くて、恐くて。プロ野球選手のアスリートのイメージが…。アスリートに思えなかったんですよね、当時は。野球選手の雰囲気って。その印象がとても残っていて、嫌々打った1本目。4000本目は試合に出たくて、出たくてしょうがない中で打ったヒットという、そういう面白さはちょっとありますかね」

――これまでの野球人生であきらめる瞬間というものはあったのか?

「際どいとこ来ますねぇ。これはダメだな。言わない方がいいと思いますね」

――では、そうならないためにしたことは?

「ちょっとややこしい言い方になりますけど、あきらめられないんですよ、色んなことが。あきらめられないという自分がいることを、あきらめるっていうことですかね。あきらめられない自分が、ずっとそこにいることはしょうがない、というふうにあきらめることはあります。野球に関してなかなか妥協はできないので。休みの日は休めとか。こっちの人はみんな休むじゃないですか。そういうことができない、僕は。そういう自分がいることは仕方のないことなので、そうやってあきらめます」

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