田中将大の快投を支える驚異のストライク率 ルーキー右腕の適応能力に驚きの声も
ダルビッシュの今季初戦も驚異のストライク率を記録
ちなみに、2014年は「省エネ投球」をテーマにしているダルビッシュは、今季初戦のレイズ戦で89球中65球で73パーセントという驚異のストライク率を記録。7回無失点の快投で1勝目を挙げた。あれだけのボールを持ちながら、ストライクゾーンの中で勝負されたら、打者としてもたまらないものがある。
もっとも、2戦目のアストロズ戦は101球中65球の64パーセント、3戦目のマリナーズ戦は107球中66球の62パーセントと少しずつ数字を落とした。これを見ると、田中の安定感が余計に際だつ。
もちろん、この数字が投球の善し悪しのすべてを物語っているわけではない。たとえば、制球力に定評のある田中のチームメートの黒田博樹は、今季3試合でのストライク率は61パーセントにとどまっている。しかし、黒田の場合はストライクゾーンへのボールの出し入れなど、投球術で勝負をするタイプ。田中と比べて9パーセントほど低い数字をもって、安定感を欠いているという結論にはならない。
ただ、田中がストライクゾーンの中で打者と勝負をし、低めにボールを集め、メジャーの猛者たちを抑え込んでいることは間違いない。昨年のWBCでは本調子でなかったため、ボールへの対応などに不安の声も出ていたが、四球で崩れるタイプでは決していないということもわかった。