ダルビッシュ有と共に戦うもう一人のアジア人 「最高のチームメイト」と称えられる秋信守の素顔と凄さ
選球眼の良さと、興味深い“見逃し三振”の多さ
レッズでプレーした昨季は、ナ・リーグ2位の112個の四球を選んだ。今季は17日までに24の四球を選び、ア・リーグ7位につけている。安打であれ、四死球であれ、1番打者としてはどんな形でも出塁したい。だが、秋は打席に向かう時、意図して四球を選ぼうと考えたことはないという。
「いつもストライクゾーンに入ったボールを打つことだけを考えているんだ。結果として、四球が増えているかもしれないけど、四球を選ぶことを意識して打席に入っているわけじゃない。ヒットだったら、二塁打、三塁打、もしかしたらホームランって可能性もあるからね」
打たないと決めた球がボールと判定され、四球を選べるということは、つまり、ストライクとボールの判断能力が極めて優れているということだ。メジャーデビューから10年目のベテランだけに、対戦する投手の傾向はもちろんだが、各球審が持つストライクゾーンの傾向も、しっかり頭に入っている。
だが、自分の持つストライクゾーンと球審のストライクゾーンが合わないことも往々にしてある。特に、フルカウントを迎えた時にストライクゾーンの相違があると、四球で出塁できるのか、見逃し三振になるか、その結果には雲泥の差が生まれてしまう。
秋の三振の内容を見ると、実に興味深い事実が見える。今季、これまで喫した38三振のうち47・4パーセントが見逃し三振で、ア・リーグでは最も高い割合だ。出塁できるか、三振に倒れるか。まさに紙一重の勝負を繰り広げながら、自分の持ち味を発揮し続ける。