メジャーの最強打者は2番にいる――元阪神助っ人が比較する日米4番像
時代によって変化する「打順」、メジャーは「2番最強」へ
日本のプロ野球の報道で、「頼れる4番」「4番抜擢」といったフレーズを目にするのは珍しいことではない。ソフトバンクの柳田悠岐外野手やスワローズの山田哲人内野手ら一部を除いて、日本の野球にとって4番打者が打線の顔であり、攻撃の要なのだ。一方のメジャーリーグでは以前から「3番最強」が定説となっていたが、最近は2番に主軸打者を置くチームが増えてきている。メジャートップ選手と言われるエンゼルスのトラウトや今季MVP級の活躍を見せるブルージェイズのドナルドソンが代表例だ。
それはなぜなのか。1995、96年に阪神タイガースに所属し、今季からオリオールズの打撃コーチを務めているスコット・クールボー氏は次のように分析する。
「チームで最も打撃の良い選手に多くの打席に立たせたいという意図がある。メジャーでは1番から9番まで長打力のある打者が並んでおり、各球団ともデータをフル活用して、できるだけ多くの得点を稼げる打順を模索しているんだ」
データ的に先取点をとれば勝つチャンスが一気に高まることから、メジャーでは1回に主軸に打席を回すことを重視する。だからこそ、チームでベストの打者は3番を打つことが多かったが、2番の方が年間で18打席ほど多くなるという集計結果も、今の流れを後押ししている。