巨人・小林の正捕手誕生なるか 乗り越えるべき課題とは?
リードの引き出しを増やすためにも、打率の向上が必要
巨人は今季、12球団ナンバー1のチーム防御率2.78。小林は全試合でマスクはかぶっていないが、高い数字に貢献した。マイコラスや菅野と組んだことで、勝つためのリードを覚えてきたのも大きい。リード面での球団からの評価もあり、年俸アップ(100万円)も勝ち取った。「自信を持ちながらも、満足することなく、強いバッテリーとして、ジャイアンツを引っ張っていきたいと思っています」と力強さも増してきた。
捕手のリードは経験値がモノを言う。名捕手と言われたキャッチャーたちも最初はリードを酷評された過去がある。小林も試合に出続けることさえできれば、引き出しは増えていくだろう。そのためには、やはり、2割台前半に終わった打率の向上が求められる。「自主トレ期間中も継続して、バットを振っていきたいと思います」と打力アップを目指している。
打てないと巨人の正捕手は務まらないことは、過去の歴史が証明している。体の強さも求めていくため、本格的にウエートトレを導入した。一概にウエートを取り入れたからといって、体が大きくなるわけではないが、2年後、3年後を目指した意識改革は始まった。ひと冬越えた後の小林の肉体にも注目が集まる。
小林の成功は、いつも苦悩から始まる。高校時代も自分たちの代まで、ほとんど公式戦の出場はなかった。元々は投手で芽が出ずに、広島・広陵の中井監督に捕手転向を命じられた。「こんなに線が細くてできるのかな」「やりたくないです」と小林は言ったこともあるという。