外国人選手の苦悩…日本人選手がMLBが経験するカルチャーショックとは?

通訳の難しさは「空気感の違い」

 海外で挑戦する動機はそれぞれだが、外国で直面する苦悩やカルチャーショックは、誰しもが一度は経験するのではないだろうか。海外へ行くとき、一番困るであろう「コミュニケーション」だが、これは単に言語だけに限らない。それぞれに文化の違いがあり、特にメジャーリーグのように多様な人種・文化が混在する国では、アメリカだけでなく、ラテン系の文化も理解することがキーポイントとなる。

 通訳をしていて顕著にそれを感じたのはミーティングのとき。言葉では表しきれない全体的な空気感の違いを感じ、単に「言葉を訳す」だけでは伝わらない。一番難しかったのがアメリカ人特有のジョークを訳すことだった。ミーティングで監督やチームメートたちは、よく有名なドラマやコメディの決まり文句やジョークを使う。

 それを知っているかどうかはアメリカ人でさえ個人差があるのに、表現を直訳しても、担当していた日本人選手には伝わらないことがほとんど。長々と説明している間に、ミーティングの話題は本題にいってしまうのだ。もっと何か工夫ができれば…と自分の力不足を感じ、当時担当していた選手らには未だに申し訳ない気持ちもある。

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