四国IL選抜の沖縄出身中継ぎ右腕、北米遠征でも攻めの投球で「野球」貫く
高知では駒田監督の元で絶対的セットアッパーを務める嘉数
18試合に登板し1勝0敗。22回2/3を投げて失点、自責点ともにわずか2で防御率0.79。駒田徳広新監督のもと、既存概念を取り払う野球に取り組んでいる高知ファイティングドッグスにあって、絶対的セットアッパーとして君臨するのが沖縄尚学高、愛知学院大、千葉熱血MAKINGを経て入団2年目を迎える26歳・嘉数勇人である。
180センチ85キロの恵まれた肉体と、沖縄生まれならではの高い身体能力に加え、彼が北米遠征で貫こうとしているものとは?明るい笑顔の裏にある鋼の心を探った。
――北米遠征も14試合(現地時間6月24日現在)が終わり、嘉数勇人投手は高知ファイティングドッグス同様に中継ぎ役としてこれまで7試合に登板しています。昨年は経験できなかった舞台ですが、嘉数勇人投手自身、今回の北米遠征に臨むにあたり考えることはありましたか?
「自分の結果は残りましたが、チームは最下位。ですので、まずは他チームの選手の皆さんから吸収しようと、自分の目標は立てずにいきました。ただ、高知で残っているメンバーには負けないようにいこう、と。実際、自分は昨年は高知に残留して『この2か月間を使ってしっかり練習しよう』と思っていました」
――当時の心境はどのようなものだったのですか?
「昨年は前期の成績が振るわなかったので、『四国アイランドリーグplus ALL STARS』に選ばれないことは解っていたのですが、それでも悔しかったです。『後期、絶対見返してやる』と思って練習していました」
――それがあって北米遠征の今があるわけですが、登板を重ねて相手打者から感じるものは?
「長打、一発があるのが第一印象。日本では長打にならないコースが長打になります。そんな時に『もっと内角を攻められたら』という場面もありましたし、自分では後手に回っていることも感じます。その反面、最初はグラウンドやマウンドの違いもあって緊張感もありましたが、最近では打者との駆け引きもできるようになってきました。それだけに第13戦で1イニング3失点、3ランを浴びたことが余計に悔しいです」