日本とは、もはや別物? メジャーリーグのトレード事情
メジャー主流は主力と若手の交換トレード、同地区球団は稀
メジャーリーグは30球団で構成されているが、それでも同地区同士のトレードは各球団避けたいというのが本音だ。放出した有望な若手が同地区で活躍してしまうと、手塩にかけて育てた上にライバルの戦力として機能した時、放出したチームにとっては倍のダメージとなる。そのため優勝争いから脱落したチームが中心選手を放出し、優勝争いをしている球団からプロスペクト(有望な若手)を獲得するのが一般的な図式だ。若手を放出してのトレードは、今年の優勝を目指すあまりに長期的なチーム作りを犠牲にするリスクが伴う。
プロ野球では、セ・パ両リーグ6球団ずつでペナントレースを戦う。それぞれ上位3球団がクライマックスシリーズに進出できることから、優勝を諦めるチームは夏の時点では現実的に存在しない可能性もある。そのためトレードに踏み切ることが難しくなってしまう。
2016年、パ・リーグでは開幕早々の4月1日に、北海道日本ハム・藤岡好明投手が横浜DeNAへ金銭トレード、4月12日には北海道日本ハム・乾真大投手と巨人・大累進選手が交換トレードされ、計2つが成立した。
昨年シーズン中にあったトレードは、6月11日に発表された北海道日本ハムと巨人で行われた2対2のトレードのみ。北海道日本ハムが外野手の北篤選手、リリーフ投手の矢貫俊之投手との交換で、巨人から矢野謙次選手と須永英輝投手を獲得したものだった。
このトレードを見ると、両チームが勝利のために必要なポジションを獲得したトレードに映る。両チームともに戦力が整っているポジションを放出し、穴となっているポジションを加入選手で埋める目的だっただろう。シーズンを諦めるトレードでなく、勝つための補強をしている。