【高校野球】 伝統校・横浜高の変革 平田新監督が取り入れた5つの新しい取り組みとは?

「選手の優れた部分を最大限に引き出してチームにまとめるのが、監督の仕事」

――選手の個性を伸ばす=勝敗は気にしない、という考え方をする人は多いと思います。

「僕は選手の優れた部分を最大限に引き出して、そこからどうやってチームにまとめ上げていくか、というのが、監督の仕事だと思っているんです。選手の持っている力を、どうやってチームに還元していくか、どうやって生かすか。例えば、桂馬に金の動きをしろと言ってもできない。それは指し手が上手く使わないと、駒は光りませんから。僕の仕事はそこにあると思っています。桂馬なら桂馬、香車なら香車、歩なら歩、その個性を最大限に伸ばしながら、自分のキャラクターをどうやってチームの勝ちに結びつけることができるのかを考えてプレーしてほしい。あとはこちらが上手くまとめていく。そういうことだと思うんです」

――監督にしてみれば、自分の戦法に選手をはめ込んで指導する方が楽に思えますが…。

「いや、そういう指導法を取っている人の方が苦しいんじゃないかと思います。教える指導者も、やらされる選手も息が詰まっちゃうんじゃないかと。やっぱりスポーツですから楽しい方がいい。好きこそものの上手なれ、じゃないですが、『俺のところに打球が飛んでこい』『チャンスで俺に回ってこい』という心境になれない限り、いいプレーって出ないと思います」

――監督の手元には毎年違った駒がそろい、違ったチーム作り、違った戦術を考えなければいけない難しさもある一方で、毎年違った楽しみも生まれそうですね。

「変な言い方かもしれませんが、そこが一番面白いところじゃないですかね。もしかしたら、来年はチームに合っているからと、ステレオタイプの練習をやっているかもしれない(笑)。そろった駒によっては、バントバントという野球になるかもしれない。ただ、選手を内発的なモチベーションに持っていく、やらされる野球をやりたくないっていう軸はぶれたくないですね」

(続く)

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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