将来は指導者も…パドレス斎藤隆氏が46歳でインターンシップになった理由

パ軍プレラーGMの仕事ぶりに驚愕「とにかく動いてる。想像を遙かに超えて忙しい」

「イメージ通りだったのは、野球を(現場とは)違う方面で支えている人たちの仕事の大変さ。トレードのデッドライン(通常毎年7月31日)が近づいてくると、ベースボールオフィス+監督で開くミーティングの数が半端なく多い。

 同時に驚きだったのは、想像以上にGMがオフィスにいる時間がないこと。動いてる。とにかく動いてる。プレラーGMは特に現場に足を運ぶ人だから、まずオフィスにいることがほとんどないし、来てもずっと電話してましたね。相手は29球団のGMだったり、国際スカウト、アメリカ国内のスカウト…。彼の動きを見ているだけで、想像を遙かに超えて忙しいのが分かりましたね」

 メジャー球団のGMは、数十億から数百億円の予算を使いながら、チームの強化・勝利を目指す大切なポジションだ。その仕事内容は、事業を拡大しようと努める企業の社長に似ている。上に立つ人間が求められるのは、即決・即断力だ。斎藤氏もまた、プレラーGMの決断力に驚かされたそうだ。

「彼の行動力や決断力は本当にすごい。あちらこちら動いていながら、かつ決断を迫られた時の答えを出す早さ。とにかく早い。限られた時間の中でチーム作りをするためには、間違いなく必要な資質ですよね。例えば、ドラフトの時、うちのチームはこの選手を指名しようと決めていたのに、直前に指名権を持つチームが先に指名してしまうことがある。そうすると、ホンの数十秒で『じゃ、この選手』って決めるわけですよ。

 さらに、彼が素晴らしいのは、時間がある時はとにかく人の話に耳を傾けること。スカウトの話をよく聞くし、僕の話もすごく丁寧に聞いてくれる。ただ聞いてくれる分、求められるのはディテール(詳細)。『君がそうに思う理由はなんだ? どんな情報を根拠にそういう意見にたどり着いたんだ?』って聞かれる。彼の姿に学ぶことはすごく多いですね」

 デスクワークの日々を過ごす合間には、サンディエゴから車で2時間離れたカリフォルニア州レイクエルシノアにある傘下1Aチームに視察・マイナー球団経営の勉強に出掛けた。同じく傘下マイナー施設があるアリゾナでは指導することもあり、日本でもメジャーでも実績を積んだ斎藤氏が与えるアドバイスは、的を得ていて分かりやすいと高評価を受けた。

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