連覇への秘策? 近藤の二塁コンバートが日ハムにもたらす数々のメリット

レギュラー陣の肉体的な負荷軽減、世代交代のための重要なピースに

 日本ハムのチーム事情も、近藤の二塁コンバートの有効性を高めるとみる。昨年、日本ハムの内野は中田翔、田中賢介、ブランドン・レアード、中島卓也でほぼ固定されており、彼らは全守備イニング1284回のうち1200回以上を守っていた。

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レギュラーとの力の差が多き日本ハムの控え内野手

 図は昨年の日本ハムの内野手の攻撃、守備、走塁での貢献を勝利数に換算した数字、WAR(Wins Above Replacement)である。基準となる0は「代替可能(控え)選手レベルが残すと見込まれる貢献」に置いており、4選手がそうした選手に出場機会をすべて譲った場合、チームが失う勝利数と考えることができる。レギュラーはそれぞれ約2~4勝分の貢献を記録しているが、バックアップメンバーはほぼ0。貢献を果たすための出場機会が限られており、また貢献の質も高められていなかったことがわかる。

 安定した成績を残せる選手がそろっていた一方で、レギュラーを脅かすレベルの控え選手が出てきていない日本ハムの内野陣は、レギュラーが離脱すると一気に力を落とす可能性がある。そこで打撃で貢献が見込める近藤が二塁手としてバックアップができる状況をつくり、リスクの軽減を図ろうというのは妥当なプランだ。戦力を落とさず田中に適度な休養を与えたり、大谷が指名打者として出場していない試合では、田中を指名打者に入れ、近藤を二塁に入れて負荷を軽減したりすることも可能になる。

 そうしたリスク対応以外にも、今季36歳を迎える田中の後継者育成で、近藤の二塁コンバートは効果を生むだろう。近藤がそのまま二塁に定着するというシナリオはもちろん、さらに若い二塁手に1軍で経験を積ませる局面がやってきた際にも、近藤との併用が可能であれば、大幅な戦力ダウンを避けることができる。

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