4年ぶりAクラスへ―楽天のキーマンは新加入選手、若手投手、そしてエース
長い間続いてきたエースの孤軍奮闘
同じく昨年オフに移籍してきた細川は、岸投手とは浅からぬ縁だ。埼玉西武がパ・リーグ、日本シリーズ、さらにアジアシリーズを制覇した2008年に2人はバッテリーを組んでおり、ともに楽天の本拠地である東北が生まれ故郷である。
ベテラン捕手として、パ・リーグの投手を知り尽くした細川の経験や知識は貴重であり、その存在が楽天にもたらす恩恵は計り知れない。春季キャンプでは早速、若い投手や捕手に声をかけている姿が見られ、岸とともに「生きた教材」となっている。2010年以来となる岸との共演がどのような結果になるかも、今季の楽しみの一つである。
楽天は、日本一に輝いた2013年こそ、絶対的エースだった田中将大投手(現ヤンキース)と則本の2人がそれぞれ24勝、15勝を挙げているが、それ以降の3年間で2桁勝利を達成した投手は、則本しかいない。則本が入団する2013年以前の2011年と2012年を見てみても、10勝以上をマークしたのは、田中だけである。
2010年まで遡れば、田中、永井怜氏、岩隈久志投手(現マリナーズ)の3人が2桁勝利を達成しているが、昨季も含めた長い間、楽天においてはエースが孤軍奮闘せざるを得ない状況が続いていると言える。昨季の投手陣の完投数が、則本の2回と美馬の1回だけというのも、少々心もとない。
ただ、昨季9勝を挙げた美馬や8勝を挙げた塩見、釜田など、今季の活躍に期待が持てる投手は少なくない。巨人とのトレードで獲得した小山の加入も、投手の層を確実に厚くするだろう。安部井寛チーム統括本部長も、「先発、リリーフ両方できる選手ですので、チームの力になってくれると評価しております」と期待を寄せている。