元メジャー岩村明憲が現役引退発表会見「思い出に残る試合ができれば」

NPB、メジャー、独立Lで過ごした21年のプロ生活にピリオド

 ルートインBCリーグ・福島ホープスの岩村明憲選手兼監督兼球団代表が10日、都内で会見を行い、今季限りの現役引退を発表した。岩村は「いろいろなことを加味しながら決めました」と決断に至った経緯を説明。「何苦楚魂(なにくそだましい)」を座右の銘に掲げた強打の内野手が選手生活に幕を引く。

 会見に姿を現した岩村は晴れやかな表情を浮かべた。冒頭に「現役生活から引退することにしました」と切り出すと、現役引退の決断に至った経緯を説明。「どこで引き際を決めればいいのか考えていた。まだまだ体が動くうちはという思いでここまでやってきた。自分が監督という立場もあり、自分の名前が足かせになっている部分もあった。いろいろなことを加味しながら(決めました)。一線を引けるチャンスをいただいたことに感謝しています。トータル的に考えて今年いっぱいで」と話した。

 今季終了後に現役から退くが、この1年は「フィールド上では120パーセントで戦う」と話し、2001年ヤクルト日本一、2008年ア・リーグ優勝決定シリーズ第7戦などを思い出の試合に挙げる一方、「この1年で思い出に残る試合ができればいい」と話した。

 岩村は宇和島東高(愛媛)から1996年ドラフト2位でヤクルトに入団。2006年までの10年間在籍し、2004年からは3年連続で3割30本塁打を達成した。ベストナイン2度、三塁手としてゴールデン・グラブ賞を6度受賞するなど、攻守揃った内野手として鳴らした。

 2006年オフにポスティング制度を利用して米メジャーのデビルレイズ(現レイズ)へ移籍。08年には正二塁手としてチームのワールドシリーズ進出に貢献した。パイレーツ、アスレチックスなどでもプレーした。

 2011年に楽天と契約して日本球界に復帰。13年から2季を古巣ヤクルトでプレーした。

 2015年からBCリーグ福島の選手兼監督に就任し、同年11月からは球団代表も務め、“三刀流”の活動を続けていた。選手としては15年に10試合に出場して打率.556、昨季は3試合の出場に止まり、無安打だった。

 2006年、2009年にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場し、日本の連覇に貢献した。

 ヤクルト、楽天での通算成績は1194試合に出場し、打率.290、193本塁打、615打点。メジャーでは通算408試合に出場し、打率.267、16本塁打、117打点の成績だった。

 今後は監督兼球団代表として、福島ホープスと野球の発展に尽力する。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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