聖地が守り続ける伝統 甲子園が「土」にこだわるワケとは
土のフィールドを作る微妙な配合、様々なイベントにも対応する技術
甲子園はいまだに内野に芝がなく、昔ながらの土のフィールドだ。
「常に新しい土を補充している。もちろん、それまでの古い土が残っていて、そこに補充していく。以前は淡路島や神戸、岡山日本原、三重鈴鹿、大分大野郡、鳥取大山の黒土を使用しており、これが現在もグラウンドに残っていると思われる。今は鹿児島の志布志の黒土、京都の城陽の砂(丘砂)を使っている。土と砂の配分を考えて。そこはやはり技術。土は粘り気、砂は乾燥。その配分が大事」
1924年に建設された甲子園。「甲子年」という60年に一度の縁起の良い年に当たったことから名付けられた。それから改修を重ね、スタンド、外周など時代に即した素晴らしい球場に生まれ変わった。
「改修の際に内野にアメリカのように芝を敷き詰めよう、という報道も出た。でも、高校野球などで試合数も多い。芝の痛みなど、いろいろ考えて、今までの伝統もあるのでこのままでいこうと」
また、毎年バンド・TUBEのコンサートも夏に定期的におこなわれていた(これはなんと25年も継続しておこなわれていた)。
「やっぱりライブがあると芝は痛む。でも、これも天候による。雨がなければ、そこそこ大丈夫。雨が多いと陥没して芝が死ぬ時もある。あとのケアが大変。とはいえ25年も継続してやっていただいて本当に感謝しています」
阪神甲子園球場の運営担当・三石貴志さんにも聞いた。