メヒアら助っ人の活躍の裏にペタジーニあり 敏腕代理人が明かすエピソード

脈々と受け継がれるペタジーニの教え

 ペタジーニに助けられたのは、メヒアだけではない。グリーンバーグ兄弟もまた、ペタジーニの活躍をきっかけに日本をはじめとするアジアへの市場拡大に成功し、ペタジーニの懐の深さに心動かされた。NPBに6選手、独立リーグに3選手、韓国リーグに1選手を送り出すまでになったのも「すべてロベルトがNPBで活躍したからこそ、そして愛される選手だったからこそですね」と、エドワード氏は話す。隣でうなずくピーター氏は「ロベルトの人柄を表す、こんなエピソードがあるんですよ」と続けた。

「今では何度も来日していますが、ロベルトが来日1年目の時は、私たちもまだ日本に不慣れでした。そんな私たちが来日すると言うと、空港までの出迎えはもちろん、ホテルの手配、遠征の同行手続きなど、何から何まですべて面倒を見てくれました。余りの手厚さに恐縮していると『当たり前だよ、僕たちはファミリーなんだから』と。単なるビジネスパートナーとしてではなく、人とリスペクトを持って付き合ってくれたのことが、本当に感動的でしたね。

 エルネストへのアドバイスも、“ファミリー”だからこそ、我が事のように親身になってくれたんです。

 今でも私たちは新しいクライアントとして選手を迎える時、『Welcome to our family(我がファミリーへようこそ)』と言っています。ビジネスの前に、人としての信頼関係を築きたい。そういった取り組みが、親子2世代だったり、兄弟や従兄弟だったり、本当の家族がクライアントになってくれる所以かもしれませんね」

 ペタジーニの教えはメヒアに、そしてメヒアの教えは今後日本へやってくる選手達に――。ペタジーニから始まった“ファミリー”としてのつながりは、今後も途切れることなく受け継がれていくのだろう。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

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