ホークスを支え続けた救援陣に疲労の色 差し迫る危機

早い段階での継投策で負担増、期待される先発陣の奮起

 先発投手が早い段階で降板すれば、リリーフ陣に負担がかかるのは当然のこと。しかも、ソフトバンクのように勝ち試合が多くなれば、森、岩崎、サファテという勝利の方程式には、より一層の過剰な負担がかかることになる。

 さらに言えば、今季のソフトバンク先発陣の投球回の短さには、首脳陣の決断も影響しているのではないか。昨季までの工藤公康監督といえば、「引っ張りすぎでは?」と思わせるほどに、先発投手を長く投げさせることが多かった。それが今季は一転「早すぎでは?」と思わせるほど、早い段階で先発を諦め、継投に打って出ている印象が強い。

 昨季とは先発陣の陣容が違うし、個々のコンディションも違う。さらに首位を走っていた昨季と違い、今季は楽天を追う立場。取りこぼしが許されないという状況が、その継投策に影響を及ぼしている部分もある。ただ、同点や少ない点差のビハインドで継投に出れば、当然、勝ちパターンの投手を送ることになり、負担はかかる。

 ようやく千賀、武田は戦線に復帰し、状態を取り戻してきている。和田も早ければ、9月にも復帰出来るのでは、という見通しも出てきている。間違いなく、ソフトバンクにとって先発陣の奮起は喫緊の課題。これが叶わなければ、リリーフ陣の失速だけでなく、故障などリスクは高まっていく一方だ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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