思い出の二遊間 脳裏に刻まれる井口資仁の偉大さ

井口資仁(左)と荻野貴司(中央)【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
井口資仁(左)と荻野貴司(中央)【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

ロッテ荻野が脳裏に刻む井口の偉大さ

 真っ先に脳裏をよぎった。井口資仁内野手が引退を表明した時、荻野貴司外野手が思い出したのはプロ2年目の2011年のことだった。それは決して順風満帆な日々ではなかったが、今では大切な経験として残している。

「井口さんと二遊間を組めたことは自分にとって忘れられないことですね。とても貴重な経験をさせていただきました」

 2010年オフに遊撃のレギュラーを張っていた西岡剛内野手(現タイガース)がメジャー挑戦をするため移籍をして、そのポジションがポッカリと空いた。穴を埋めるべく、白羽の矢が立ったのが社会人時代に遊撃の経験のある荻野だった。春のキャンプから特訓が始まった。

「社会人時代はやっていたこともあったけど、失格の烙印を押されていた。だから、言われた時はめちゃくちゃ不安でした」

 キャンプでは二塁で不動のレギュラーを張る井口とコンビを組んで練習をする機会が増えた。緊張をした。なによりも送球に不安があり毎日、神経をすり減らした。そんな時、井口は優しく声をかけてくれた。

最も凄さを感じたのは「握り替えの速さ」

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