指名漏れの悔しさバネに成長 再び迎える運命の日 24歳外野手が秘める思い

日立製作所野球部・菅野剛士【写真:篠崎有理枝】
日立製作所野球部・菅野剛士【写真:篠崎有理枝】

明大時代の同期に阪神・高山ら、2年の歳月を経てドラフトを迎える菅野剛士

 今月26日にプロ野球ドラフト会議が行われる。2年前の2015年のドラフト会議では、明治大学から4人がプロ志望届を提出した。阪神から1位で指名された高山俊外野手、同じく阪神から2位で指名された坂本誠志郎捕手、日本ハムから1位指名された上原健太投手。そして、ただ一人指名がなかったのが、現在は社会人の日立製作所で中軸を打つ菅野剛士外野手だ。

 当時、合宿所に設けられた記者会見場を立つ際に、明大の善波達也監督は菅野に声をかけた。おそらく、励ましの言葉をかけたのだろうが、詰めかけた報道陣のカメラのシャッター音にかき消され、本人はよく聞き取ることができなかった。

「自分だけ指名がなかったのは、ショックでしたね。それでも、数日後には秋季リーグ戦の優勝がかかった法大戦が控えていたので、気持ちを切り替えました。翌日の練習でも、チームメートはいつもと変わらずに接してくれました」

 東海大相模高では、春夏合わせて3度の甲子園出場。3年春のセンバツでは優勝の栄冠に輝いた。広角に打ち分けられる長打力が武器で、明大ではリーグ通算28本の二塁打を放ち、それまで高木大成氏(慶大-西武)が持っていた27本の記録を20年ぶりに塗り替えた。ベストナインも2度受賞。それでも、プロから指名を受けることができなかった。

「実力も足りないし、しっかりとした結果も出ていませんでした。今だからわかりますが、すべてが足りなかったと思います」

指名漏れの悔しさをバネに社会人では1年目から活躍

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