西田真二監督に聞く“総決算の場”「収穫を得てほしい」

香川オリーブガイナーズ・西田真二監督【写真:広尾晃】
香川オリーブガイナーズ・西田真二監督【写真:広尾晃】

みやざきフェニックスリーグに選抜チームで臨んでいる四国アイランドリーグ

 四国アイランドリーグplusは、みやざきフェニックスリーグに2007年から選抜チームを送り込んでいる。今年も香川オリーブガイナーズの西田真二監督のもと、独立リーググランドチャンピオンシップに出場した徳島インディゴソックスを除く3チームから一次選抜チームを組んで、参加している。西田監督に今年の四国アイランドリーグplusチームについて聞いた。

――今年の陣容はいかがですか?

「選手の選考は、四国アイランドリーグplusの坂口事務局長などとともに行いました。投手はまずまずですが、野手は今季、コンディションが良くない選手もいたので、選考に悩みましたね。長年参加させていただいているので、目的意識もはっきりしてきました。四国アイランドリーグplusは、巨人、ソフトバンクの3軍と交流戦をしています。そういう意味ではNPBの野球には接していますが、フェニックスリーグにはCSを控えて調整のために出場する1軍選手もいます。3軍とは違って、2軍、1軍半の選手と対戦させてもらえるということで、NPBの本当の実力を知るということが大きいですね」

――ここまでの戦いぶりはいかがでしょう?

「今回は雨で流れた試合も多いですが、チームとしてはよくやっていると思います。彼らも四国で数多くの試合をこなして経験を積んでいますから、NPBのチームに歯が立たないということはない。初対決ということもありますが、投手陣はそこそこ好投しています。打線は長打力はありませんが、選手をやりくりする中でよくやっているんではないでしょうか」

――毎年、この時期にはドラフトが気になるところです。

「今回は一次選抜では徳島の選手が来ていませんし(21日から追加で参加)、シーズン8勝を挙げたうち(香川オリーブガイナーズ)の原田宥希も来ていない。この中からどれだけの選手がドラフトにかかるかわかりませんが、NPBのスカウトや指導者の中には、フェニックスリーグで選手の再チェックをすることもあるので、ぎりぎりチャンスを活かし若い人もいるでしょう。でも、ドラフトで指名されなくても、ここで経験を積んで、来年以降にドラフトにかかるチャンスが生まれる人もいます。来年に活かしてほしいですね。独立リーグとしては、毎年毎年こういう挑戦を続けていく、そしてそれを活かしていくことですね」

――九州遠征は、選手にとって大変ではないですか?

「宮崎の遠征は、レギュラーシーズンよりも楽ですね。四国アイランドリーグplusの移動は四国全域に加え、ソフトバンク戦は九州でもやります。遠征は原則日帰りですから、シーズン中はバスの移動が本当に大変です。でも、フェニックスリーグは宮崎県内の移動ですし、ホテルに宿泊できる。朝食も年々良いものを出していただいている。選手たちがリフレッシュできるようになってきています。昔に比べればずいぶん、楽になりました。昔は四国でも黒潮リーグという若手中心の教育リーグをやっていました。四国もやればいいのにと思います。宮崎と四国で半分ずつやるようになれば、交流がもっと広がるし、四国の注目度も高まると思います」

――四国アイランドリーグplusの選手にとってフェニックスリーグはどういう位置づけですか?

「フェニックスリーグは勝つことも大事ですが、試合をしながら経験を積んでいくことも大事です。また、いろいろな意味で総決算の場でもあります。ここに来ているのは、四国4チームの選抜選手ですが、この試合を最後にやめる選手もいるんです。そういう選手には野球生活の総決算です。もちろん、ドラフトにかかる選手には、独立リーグの総決算になる。来季も独立リーグでやる人にとっても今季の総決算です。どんな状況でも、収穫を得てほしいですね」

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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