絶大だったラミレス効果 独立リーグの未来は?
NPBとの連携強化は不可欠、大きく立ちはだかる「少子高齢化」
――独立リーグの将来という点では、どんな1年でしたか?
「その面では、今年はちょっと停滞した年かもしれません。昨年まではIPBLを通じて、社会人野球(日本野球連盟)と交渉して競技者登録の制限期間(1年)を適用対象外にしたり、日本学生野球協会と交渉して、独立リーグ出身者が指導者になる条件を緩和したりしました。今年は、そういう新しいことがなかった。希望を言えばU23やU21の日本代表に、独立リーグの選手も選出してほしいと思っていましたが、話は進みませんでした。
私たちとしては、NPBとの関係を強化していきたいのですが、その話もちょっと停滞しています。独立リーグの本拠地がある地方では、人口がじりじりと減少しています。観客動員や売り上げで頑張ろうにも、地域が衰退している。どんどん人やモノが減っていく社会で、経営改善のスピードよりも、少子化、高齢化のスピードが速い。どうやって続けていくかが、今後の課題になってくるでしょう。
徳島は今年独立リーグ日本一になりましたが、それでもお客は入らない。そういう課題が残っています。その反面、高知はお客も入っていますし、活気もある。だから全然ダメとは言えませんが、人口減少の中でどれだけ存在感をアピールできるかは、独立リーグ共通の課題でしょうね。何かでブレークスルーしないと」
――将来展望は、なかなか厳しいものになりそうですね。
「私たちはとりあえず10年で基礎を作ろうと頑張ってきた。おかげさまで独立リーグの認知度は昔とは比較にならないほど上がりました。でも、その先に何を目指すのかが、今、ちょっと見えていない。そのために、四国とBCがトライアウトを一緒にやったり、経営統合へ向けて話を進めることがあっても良いと思います。
20年後に存在しているとすれば、どんな独立リーグになっているのか。高齢化がさらに進む中で、どうなっていくべきなのか。それを仲間とともに一つ一つ考えていきたいですね」
(広尾晃 / Koh Hiroo)