「キツかった」ホークス上林が悩まされた“通勤苦” 改善直訴に秘める思い

1軍本拠地ヤフオクDから寮まで車でも電車でも1時間以上の“通勤苦”

 ヤフオクドームでの試合後、車を持った選手が1軍にいれば同乗させてもらって、寮まで片道1時間ほど。車がなければ九州新幹線を使うことになるが、こちらも寮まで最低でも1時間前後、新幹線への乗り継ぎ時間が合わなければ、さらに時間はかかる。ナイトゲームが夜9時に終わったとしても、ケアなどをしていれば寮に着くのは午前0時近くになる。1試合を戦い抜いた後にこれは辛い。しかも、それが毎日のように続く。体を休める時間がどうしても減ってしまい、コンディションに悪影響を及ぼした可能性は否定できないだろう。

 序盤から中盤にかけて打率3割前後を打っていたものの、夏前から成績が急下降した。筑後からの通いとなった頃だ。もちろん、それだけが原因ではない。上林自身の不振があり、それを脱せなかったという部分もあるだろう。本人も「それを言い訳にはしたくはなかったので、結果を残したかったんですけど……。結果が出なかったので、そこは悔しかったです」と言う。でも「キツイですよ、あれはやっぱり。影響は絶対にあると思います」というのも本音だった。

 球団規則より高卒選手の入寮期間は5年となっているが、上林は1年前倒しが許されて今季で退寮し、オフになって1人暮らしをスタートさせた。上林本人にとっての問題ではなくなったが、これから出てくる後輩たちに同じ思いをしてほしくないという思いで「見直してほしいと言いました」。上林の一声が、見直しのキッカケとなるだろうか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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