FA移籍の裏で突然の通告 飛躍の可能性も秘める人的補償

新天地で再び輝き放った選手も

 移籍後に再び輝きを放った選手もいる。一岡と同じ2013年シーズンのオフに片岡治大の人的補償となった脇谷亮太内野手もその一人で、特に移籍2年目の2015年には自身5年ぶりの100試合出場を遂げ、キャリア最高の打率.294を記録。その年のオフにFAで巨人に復帰した。またすでに引退しているが藤井秀悟投手(2011年オフ・村田修一の人的補償、巨人→DeNA)や馬原孝浩投手(2012年オフ・寺原隼人の人的補償、ソフトバンク→オリックス)、高宮和也投手(2012年オフ・平野恵一の人的補償、オリックス→阪神)らも新天地で存在感を見せたシーズンがあった。

 近年では2013年オフに相川亮二の人的補償として巨人からヤクルトに移った奥村展征内野手が2016年に1軍デビューを果たすと、今季は自己最多の44試合に出場して初安打、初打点を含む打率.239、5打点、1盗塁を記録。2016年オフに糸井嘉男の人的補償で阪神からオリックスに移ったプロ5年目の金田和之投手も34登板で防御率4.15ながら4勝1敗2ホールドと、移籍を踏み台にして頭角を現しつつある。

 人的補償に戸惑いはつきもので、時には周囲からも同情的な声が上がる。だが、その突然の通告を好機と捉え、飛躍への糧にできなければ、プロ選手として先はない。FA移籍の裏で新たな挑戦を迎えた選手たちの今後に注目したい。

(Full-Count編集部)

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