「僕の今のレベルでは…」鷹3球団競合ドラ1右腕が激白、痛感した“弱点”
オフの間にフォーム改造に着手「左腕を高く上げることで、頭が残る」
課題となるのは、高めへとボールが浮く抜けグセ。そこで、オフに入り、20歳の右腕は大きな決断を下した。フォームの改良だ。「倉野さんにも言われていたところなんですけど、秋から来られた久保(康生投手)コーチに提案していただいて。何の結果も出ていない以上、コーチの言うことを吸収してやってみるしかない」。キャッチボールを見ているだけで、その変化にすぐ気付かされる。前方へと伸ばす左腕の位置が頭の位置よりも高くした。
「左腕を高く上げることで、頭が残ります。頭を残すことが出来ると、左腕を下ろした勢いで右腕が自然と出てくる。元々、頭が先にいってしまったり、ブレやすいフォームだった。それを今直そうとしています。球の勢いがあってもボールなら意味がないし、高かったら打たれる。僕は大谷(翔平)さんのように160キロを投げられるわけではない。ある程度のコントロールは必要だなと痛感しました」。このままではいけない――。自分を変えたい、今年こその思いからの、フォーム修正だった。
そうやすやすと、1軍の枠に食い込めるチームではない。150キロを投げるピッチャーは、もはやソフトバンクにとっては“当たり前”の存在となっている。最速150キロオーバーの投手はゴロゴロとおり、育成選手にあっても、もはや珍しくなくなってきた。先発ローテは和田、バンデンハーク、千賀、東浜は当確。武田も有力で、定まっていないのは6枠目の1枠だけ。ここを石川柊太や松本裕樹、ベテランの中田賢一や摂津正といった面々と競わなければならない。
リリーフ陣も現実的にいえば、枠は1つ、2つしかないだろう。割って入る隙はごくわずかしかない。「1軍定着が目標と大きく言っても、それが全部できるようなチームではないので。去年1軍に上がって投げないままに2回2軍に落ちましたし、このチームの層がどれだけ厚いかというのは十分に分かっている。もちろん1軍定着という目標はもちろんありますけど、それよりもまずは初勝利と1試合でも多く投げること。1歩1歩です。生半可な球団ではないので」。冷静に現実も見つめている。
24日に行われた監督、コーチ会議の末に決まったキャンプの組み分け。高橋は他の若手投手とともに、B組でスタートを切ることになった。2018年のホークスキャンプは“生き残れ”ではなく“這い上がれ”。右腕が秘める潜在能力は疑いようなく高い。それを生かすも殺すも自分次第。2018年。高橋純平は這い上がる。
(Full-Count編集部)