なぜ松坂大輔はファンサービスを厭わないのか 根底にある思いとは

ファンとの触れ合いは「至って普通のこと」、根底にある思い

「特別、意識はしていないですよ。やっていることは至って普通のことだと思っているので。時間があって(サインを)書ける時は書きたいと思っているので」

「やるべきもの? そうですね。自分の練習のペースとかもあるので、それは守らせてもらいますけど、それ以外であれば出来るだけ書いてあげたいと思っています」

 普通のこと――。松坂にとってサインや写真撮影といったファンサービスは普通のことらしい。アッと驚くような答えはなかったが、あまりにシンプルな答えに右腕の思いが透けて見える気がした。

 もちろん、スケジュールの問題はある。練習の流れを断ち切ってまではやるべきことではないのは、当然ファンの方々にもお分かりいただけるだろう。その中で極力、ファンサービスに時間を割くことを、松坂は当然やるべきことだと認識している。その根底には「ファンの方々は、チームや選手を支えてくれている人たちだと思っているので」という思いがある。

 その思いは、実際にファンサービスを受けた人には確実に伝わっているのだろう。アンチは多い。批判的な声も多い。一方で、松坂の復活を信じ、期待するファンも多い。それは、松坂のこういった姿勢からも醸成されているのではないだろうか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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