ホークス日本一連覇のカギを握る投打の若武者 背番号に込める思い
チームの強さの源泉である競争原理に打ち勝ち、高みを目指す
昨季の福岡ソフトバンクを語る上で、外せないのが若手選手の台頭だ。故障者が続出しながら、新戦力が次々に穴を埋めた。たとえ主力選手であろうとも、ポジション争いの危機感を持って競争が働くシステムに、福岡ソフトバンクの強さの基盤がある。
「本当にすごい選手が多いので。成績を残しても、次の年は一から競争という気持ちを常に持っています。若い選手もどんどん出てくるので、そういう選手にも負けないように。若手もベテランも多分、全員が同じ気持ちでいると思います」(武田)
「本当にすごい選手ばかりなので。お手本になりますけど、そういう選手たちを抜いていかないと、どんどん上には行けない。本当にいい環境でできていると思います」(上林)
これまで武田は3度の日本一を経験しているが、年間を通して先発ローテーションを守り切ったのは2015年のみ。昨年は辛酸をなめたが、転んでもただでは起きない。もう一度、投手陣の柱としての活躍に腕を撫す。
「昨年は1年間投げることができなかったですけど、調整の難しさや、逆にやるべきことも出てきた1年でした。オフはそれを自主トレから見直して、また1年間、戦える身体作りをしてきたので。チームがまた日本一になれるように頑張りたいと思いますね」
上林は、3、4日に行われた「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 日本vsオーストラリア」にも出場。日の丸のユニホームに袖を通して得た経験は、確実に自身の成長を促している。
「代表のユニホームを着てプレーするだけでも刺激になりました。いいバッターもたくさんいて、近藤(健介/北海道日本ハム)さんはタイミングの取り方が非常にうまいので、練習のときはよく見て、よくご飯にも行って。山川(穂高/埼玉西武)さんは飛距離が1人だけ全然違ったので、負けたくないという気持ちも出ました」
巻き返しを図る頭脳派右腕のゲームメークと、打球の軌跡とともに上昇線を描こうとする若武者の志が、鷹をさらなる上昇気流へと導く。
(「パ・リーグ インサイト」藤原彬)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)