「スポーツを様々なもののプラットホームに」米で進化するスタジアムの存在意義

ヤンキースの本拠地・ヤンキースタジアム【写真:Getty Images】
ヤンキースの本拠地・ヤンキースタジアム【写真:Getty Images】

ヤンキース上席副社長ビューアー氏「球団が人々へ積極的に近づくこと」

 球場やアリーナなどは「競技を行うことだけの箱」という時代ではなくなった。箱を活かしてそこから多くのものを生産できるのだ。それらを積極的に提唱しているのがNPO法人グリーン・スポーツ・アライアンスである。

「ベーブルースの建てた家」と呼ばれるヤンキースタジアム。2009年から使用されている現在の新球場は、すべてが突出したものとなっている。旧球場に比べサイズが大きくなったばかりでなく、外観は古代コロシアムを想像させるような豪華さ。球場周辺やコンコースなど、数えきれないほどのビジョンが設置され、得られる情報量も半端ない。さまざまなショップやレストランも入り、球場という形容が陳腐にさえ思えるほどである。

 だが、ヤンキースがこの球場に求めているものは、ファンを満足させるだけではない。ここから様々なものを生産、発信し、広義な意味での社会貢献をおこなうことを考えている。そのヤンキースも加入しているのがNPO法人グリーン・スポーツ・アライアンス(以下GSA)だ。

 GSAはアメリカで10年にマイクロソフト社の創設者の1人、ポール・アレン氏によって創設された。スポーツを通じてサスティナビリティを社会に浸透させる「Greeting program」と銘打ったプログラムを推進している。サスティナビリティとは、持続性のこと。「競技だけがスポーツではない」という考えが根本。スポーツを様々なもののプラットホームに活用できるように取り組んでいる。

レッドソックス本拠地・フェンウェイパークには農園が存在

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