「ラッキーセブン」は本当に何かが起こるのか? 試合が動く回、動かない回

図1:パ・リーグのイニングごとの合計得点をまとめたグラフ【画像:(C)PLM】
図1:パ・リーグのイニングごとの合計得点をまとめたグラフ【画像:(C)PLM】

「7回に何かが起こる」という言説があるが…2017年のパ・リーグのデータから分析

 プロ野球では、7回の攻撃のことを「ラッキーセブン」と呼ぶ。7回の攻撃が始まる前にはホームチームもビジターチームも球団歌を歌い、ジェット風船を飛ばす。

 ファンに楽しんでもらうためのイベントとしての意味合いが強いが、チームがリードしていればもう一度気を引き締めるような、ビハインドなら奮起を促すような演出が施されることも少なくない。

 では、そもそもなぜ、終盤3イニングスが始まる「7回」は「ラッキーセブン」と呼ばれ、ターニングポイントのように扱われるのか。

 1885年、シカゴ・ホワイトストッキングスが7回に打ち上げた飛球が風に乗って本塁打となり、それがチームの優勝につながった。そして勝利投手のジョン・クラーソン氏が、翌日の新聞のインタビューに「lucky seventh」と答えた……。「ラッキーセブン」というのは、そのエピソードから生まれた考えだと言われている。

 そこから今や「7回に何かが起こる」という言説はプロ野球界で当たり前のように使われ、めずらしいものでもなくなったわけだが、本当に「7回には何かが起こる」のか。では、逆に何かが起こりにくいイニングがあるのか。今回は、2017年のパ・リーグ公式戦のデータをもとに、イニングごとの得点の違いを見ていく。

 図1は昨年のパ・リーグのイニングごとの合計得点をまとめたグラフである。

 最も多くの得点が入ったイニングは3回だ。3回というイニングの一般的な特徴としては、「打順が下位打線から上位打線に向かう」、そして上位打線は2巡目であるため、「投手の球筋や調子などの生の情報を頭に入れて打席に向かうことができる」というところである。

試合が動くイニング、動かないイニング

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY