「ラッキーセブン」は本当に何かが起こるのか? 試合が動く回、動かない回

現代野球の分業制が影響か、「ラッキーセブン」はイベントに過ぎない!?

 それでは、「ラッキーセブン」と呼ばれる7回を見てみよう。7回の総得点数は412得点。9回の中では4番目に多い得点数だ。決して得点の入りにくいイニングとは言えないものの、入りやすいイニングでもない。

 7回の特徴としては、「打順が3巡目に入る」、「先発の球数が100球を超えているケースが多い」ことが挙げられ、攻撃で「何かが起こる」要因は確かに少なくないように見える。

 しかし、現代野球ではセットアッパーの存在が重要視され、先発の完投数は減少している。7回からは中継ぎ投手の登板が多くなるため、かつてのように「何かが起こる回」ではなくなったのではないか。事実、7回を境にして得点数は右肩下がりになっていく。日本球界において中継ぎが果たす役割の大きさ、「勝利の方程式」の盤石さがうかがえる。

 今回は「ラッキーセブン」をもとにイニングごとの得点の推移を見てきたが、ほかにも野球には様々な説が存在している。その説がどんな意味を持っているのか、改めてデータを参照することで意外な答えが見えてくるかもしれない。

(「パ・リーグ インサイト」福島龍一)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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