首位・西武の打高投低は2001年近鉄と酷似? 打ち勝つ野球でV再現なるか
投手陣でかなり苦しんだ2001年の大阪近鉄
投手陣に不安を抱えながらリーグ制覇した球団をみると、チーム防御率リーグワーストの4.98の2001年・大阪近鉄がそうだ。この年の大阪近鉄は、3番・ローズ選手(55本塁打)、4番・中村紀洋選手(46本塁打)の2人で101本のアーチを描くなど、リーグトップの770得点をたたき出した。リーグ優勝を決めた試合でも、9回裏に北川博敏選手が代打逆転サヨナラ満塁本塁打を放つなど、点を取られたら取り返す“いてまえ打線”が奮起した。
投手陣は先ほども述べたようにチーム防御率がリーグワーストの4.98。当時の投手陣を見てみると、3、4月に5勝1敗、防御率3.20の成績を残し月間MVPに輝いた前川勝彦投手だが、シーズン終了後には防御率5.89。門倉健投手も8勝をあげたが、防御率は6.49。
球団も投手陣のてこ入れを図り、シーズン途中にバーグマン投手、パウエル投手を補強。バーグマン投手は、前川投手に次ぐチーム2位となる10勝。パウエル投手は4勝、防御率4.95という成績だったが、ローテーションを守り抜いた。さらに先発陣が不安定だったこともあり、当時2年目だった岩隈久志投手も、シーズン後半から先発ローテーションに定着。4勝を挙げたが、防御率は4.53だった。
リリーフ陣はこの年に先発からリリーフに配置転換となった岡本晃投手が61試合に登板し、4勝4敗8セーブ、防御率2.73という成績を残したが、その他のリリーフ陣はほとんどが防御率4点台という成績。関口伊織投手は53登板で防御率4.33。巨人から移籍してきた三沢興一投手は7勝を挙げたが防御率4.01、左のワンポイントを務めた柴田佳主也投手が42登板で防御率4.35、さらに守護神・大塚晶文投手も防御率4.02だった。
近年では考えられないことだが、投手陣が5点取られても打線が6点を取る野球。まさに野手陣におんぶに抱っこの状態だった。
【2001年 大阪近鉄の主な投手陣】
(先発)
前川勝彦 28試合12勝9敗0S 140.2回 防御率5.89
バーグマン 18試合10勝4敗0S 107.2回 防御率4.18
門倉健 32試合8勝5敗0S 123.1回防御率6.49
パウエル 14試合4勝5敗0S 80回 防御率4.95
岩隈久志 9試合4勝2敗0S 43.2回 防御率4.53
(リリーフ)
岡本晃 61試合4勝4敗8S 102.1回 防御率2.73
関口伊織 53試合0勝1敗0S 35.1回 防御率4.33
柴田佳主也 42試合0勝0敗1S 20.2回 防御率4.35
三沢興一 21試合7勝0敗0S 33.2回 防御率4.01
大塚晶文 48試合2勝5敗26S 56回 防御率4.02