「マシンが彼氏」週5回一人で黙々と…女子野球界のレジェンドが続けた努力

「JA共済杯日本リトルシニア第1回Girls Championship」の開催に先駆け交流食事会が行われた【写真:石川加奈子】
「JA共済杯日本リトルシニア第1回Girls Championship」の開催に先駆け交流食事会が行われた【写真:石川加奈子】

女子野球選手が“一流”になるために…活躍中の選手たちが貴重な経験を明かす

 中学硬式野球の「JA共済杯日本リトルシニア第1回Girls Championship」が27、28日、札幌麻生球場で初開催された。リトルシニアでプレーしている女子選手5チーム83人が参加。26日には、札幌市内のホテルで交流食事会も行われた。

 午後4時から始まった交流会では、女子野球界で活躍する人物がゲストとして登場。女子プロ野球リーグ・埼玉アストライアの大山唯コーチ、山崎まり内野手、長尾朱夏投手に加え、2002年から2016年まで女子野球日本代表でプレーした金由起子内野手(ホーネッツ・レディース監督兼選手)が、1時間に渡りトークショーを行った。

 プロの3人はいずれも中学時代はシニアのチームに所属し、男子に混じって練習に励んだ。異性を意識し始める時期だけに、キャッチボールやストレッチの相手探しに苦労した話を明かした狭山シニア出身の大山コーチは「大人になった今では、みんな仲の良い友人です」と笑った。

 男子選手との体格差が広がる中学時代、3人はそれぞれ負けん気の強さを発揮した。札幌真駒内シニア出身の山崎は「キャッチボールでは必ず胸に投げるとか、(パワーとスピードで)男子と差がつかないところを頑張りました」と振り返る。中本牧シニア出身の長尾は「とにかく男子に負けたくないという一心でした」と男子の3倍バットを振った。中学時代の練習がその後の野球人生の基礎になっていると3人は口を揃える。

 一方、野球と仕事を両立し、アマチュアとして長く日本代表で活躍した金は「マシンが彼氏」と明かして、笑いを誘った。「鉄腕くん」と名付けた打撃マシンを相手に週5回一人で黙々と打ち込み続けること10数年。「下手くそだった」と自らを評する選手が、コツコツ努力を積み重ねてレジェンドとなった経験の一端を披露した。

 参加した中学生選手からは「苦労してでも続けて良かったと思う瞬間は?」「野球と勉強をどう両立したら良いか?」「女子プロ野球リーグが重視する力は何か?」など質問が相次いだ。

 女子中学生選手たちは、憧れの先輩たちの野球人生に耳を傾け、助言とエールをもらって気持ちを新たにしていた。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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