「オレたちの福浦」2000本安打! その瞬間に交錯したロッテファンの思い

打撃不振、体調不良…見守る応援団は引退の心配も

 25年間、活躍を続ける福浦を陰から見守ってきた人もいる。ZOZOマリンスタジアムのバックスクリーン裏で約30年、もつ煮を売り続ける曽根会長こと曽根太一さんは「ただ一言、おめでとう!本当だったら最後は勝ってほしかったが、こればかりはしょうがない」と、逆転負けで福浦選手の快挙を飾れなかったことを悔しがっていた。

 ロッテに欠かせない「26人目の選手」を盛り上げる応援団は、福浦の快挙を複雑な思いで見つめていた。応援団長の高橋慎さんは「個人的にも大好きな選手なので、この場に立ち会えてよかったです。ただ、この二塁打が最後の安打になってしまうのでは……という思いもありました」と吐露。試合後に「来年もやるつもりでいます」とコメントしたことには、多くのファンの心境と同じく安堵の気持ちがあった。

 2000本まで残り38本で迎えた今季は5年ぶりの開幕スタメンを果たすなど、4月から快調に安打を積み重ねてきた。しかし、5月には不調に陥り1軍登録を外れたこともあり、高橋団長はスタンドからその苦悩を感じていた。

「今年は1打席1打席、フォームが違って見えました。(42歳という)福浦さんの年齢を考えれば、体調が厳しいというのは思っていましたが、しんどそうな印象で、全盛期とは違っていましたね。ただ、(9月9日に放った)埼玉西武戦のホームランは、2010年のCSで放ったホームランと同じような打球で、とても印象に残っています」

本塁打の描く放物線も美しい福浦のバッティング

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